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地震後の火災は「予防」できる
能登半島地震以降、4月17日には豊後水道を震源地とする最大震度6弱を記録した地震が発生するなど、日本各地で地震の危険性が高まっています。
しかし、現代の科学ではまだ精度の高い「地震予報」ができないのが現状。いつ、どこで起こるか、起こった場合も余震が続くかどうかわからない、さらに地震が発生してからでないと震源地が特定できない状況にあります。
日本は世界でも有数の「地震大国」。南海トラフ大地震を筆頭に、私たちの日常生活に大きな影響を与える大地震がいつ、どこで発生してもおかしくない状況と言えます。
地震そのもの、そして地震に起因する津波も大変恐ろしい災害ですが、実は地震発生後の二次災害として注意しておきたいものに「火災」があります。今回は、地震後の火災について、詳しく掘り下げていきます。
地震よりも怖い二次災害が「火災」
地震そのもの、あるいは建物の倒壊等で命を落とされる方もいらっしゃいますが、実は、地震での死者の大多数が、その後に発生した火災に巻き込まれてのものだと言われています。
例えば、1923年に発生した関東大震災では、105,385人の死者・行方不明者のうち、火災による死者が91,781人、住居の焼失は212,353棟にも上ると言われています。関東大震災の場合は特に、発生したのが昼食の時間帯に重なっており、多くの家庭で火を使用していたことや、日本海にあった台風の影響で強風が吹いたことも火災被害を甚大にした原因と言われています。
大規模地震発生時には火災が同時に多くの場所で発生する確率が高く、消火活動が追いつかなくなって住宅密集地などで大規模な火災につながる危険性が高くなります。
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、火災の原因が特定されたもののうち、約半数が電気に起因するものだと言われています。特に、地震で大規模・長時間に渡る停電が発生した後、停電から復旧後の再通電時に出火する、いわゆる「通電火災」のリスクが懸念されています。
通電火災がどのように起こるのかを考えてみましょう。例えば、転倒した家具の下敷きになって損傷した配線などに再通電し、発熱・発火するケースや、転倒したヒーターや照明器具などに可燃物が接触した状態で再通電し、発火することなどが考えられます。
「通電火災」を防ぐ、ちょっとした心がけ
では、地震後の火災を防ぐために、私たちにできる備えは何でしょうか。
まず、倒れやすい家具を固定することです。家具を固定しておくと、地震が発生した際に倒壊を防いで命を守ることに繋がるだけでなく、ヒーターやストーブなど、熱を発する電気機器に家具が倒れ込み、発火するリスクを防ぐこともできます。
また、地震が発生して停電した際には家電のスイッチを切り、電源プラグはコンセントから抜きましょう。復旧してもすぐ家電を使用せず、損傷や配線に断裂などがないか確認することも大切です。
通電火災は特に、住民が避難所などへ避難していて出火時の初期消火が行えないという危険性があります。そのため、避難などで家を不在にする場合はブレーカーを落としましょう。揺れを感知して自動でブレーカーを落とす「感震ブレーカー」をあらかじめ設置しておけば、より確実に通電火災を防ぐことができます。
暖房器具やコンロの近くに衣類や紙類など燃えやすいものがあると、地震の揺れで落下して火災につながるケースもあります。周りに置いてある物を見直し、地震が発生したことを想定して考えてみましょう。さらに、暖房器具やコンロを購入する際には転倒時に自動で電源が切れるなど安全装置がついたものを選ぶことも効果的です。
「イザ!」という時に備える意識を持とう
万が一、地震の際に火災が発生した場合は、まずは揺れがおさまるのを待ってから慌てずに対応しましょう。初期消火を行うことで、被害の拡大を減らすことができる場合もあります。屋内で火が出たら、まずはドアを開けて逃げ場を作り、大声で周囲に火事を知らせましょう。
「イザ!」という時に備え、地域の防災訓練へ参加するなどして、火災発生時の対応を学んでおくのもGOOD。地域の消防団や自主防災組織等へ参加するのもよいでしょう。
地震「そのもの」を防ぐことは、今のところ難しい状況。だからこそ、発生した後の火災を起こさない、未然に防ぐ準備をしておきたいものですよね。
日本は世界有数の「地震大国」。だからこそ、万が一のときに備えて、私たち一人ひとりができることを備えておきたいものです。
(参考資料)
総務省 消防庁|令和2年度版 消防白書
NHK NEWS WEB|地震が起きたら 火災にも注意
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