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防災のプロが考える「在宅避難で備えるべきもの」
自然災害が発生した際には、避難所へ移動するのが基本ですが、場合によっては「自宅にとどまる」という選択肢もあります。これを「在宅避難」と言います。避難所のように慣れない場所での生活をしなくて良い、避難所の混雑を緩和できるといったメリットがある反面、注意したいポイントもあります。
今回は、防災のプロが考える「在宅避難」する際に意識しておきたいことと、在宅避難に備えて準備しておきたいもの3選をご紹介します。
そもそも「在宅避難が可能か」を考える
在宅避難を考える上で意識しておくべきことは「在宅避難が可能かどうか」です。「避難所に行きたくない」「できれば自宅にいたい」という軽い気持ちで在宅避難をしよう・・・というのは危険。
例えば、隣の家が火事になっているのに、あなたは「在宅避難」を選びますか? これは極端な例ですが、津波や土砂災害、河川の氾濫など、自宅が危険なエリアであれば、避難せざるをえません。
ですから、在宅避難を考える際には「自然災害が起きた際、本当に在宅避難が可能か」「どういうリスクが考えられるのか」などをきちんと把握しておく必要があります。
「台風や大雨の際は在宅避難が可能だが、津波が来る危険性がある時はダメ」とか「土砂崩れのおそれがある際は、絶対に避難する」など、きちんと自宅がどういう環境にあり、どういった自然災害の影響を受ける可能性があるかを事前に把握しておく必要があります。
そのためには、自治体が発表している「ハザードマップ」で、自宅周辺のリスクについて、きちんと知っておくことが必要不可欠です。こうした準備があって初めて「在宅避難ができる」ということを、しっかりと認識しておきましょう。
人間が生きるために必要な「水」
在宅避難をする際に、備えておきたいもの。真っ先に挙げておきたいのが「水」です。
日常生活では、水道の蛇口をひねれば水が出るのが当たり前ですが、自然災害が発生した際には断水になる危険性が極めて高いと言えます。
人間は2〜3週間、何も食べなくても生き延びることができますが、水を1滴も飲まなければ4〜5日で死んでしまいます。人体の70%は水分でできており、飲用水の確保は生命に直結する問題です。
また「生活用水」も考える必要があります。食器を洗う、トイレを流す、髪の毛や身体を洗う・・・全て「水」が必要になります。だからこそ「水」をどう確保するかは在宅避難において最も重要なテーマになります。
「うちはペットボトルの水を常備しているから大丈夫」と思われるかもしれませんが、大人一人あたり、飲用水だけで1日2〜3リットル必要だと言われています。生活用水まで含めると、もっと大量の水が必要です。
また、在宅避難を何日間続けることになるか、という問題もあります。すぐに水道や電気といったライフラインが復旧すればよいですが、大災害の場合は見通しが立たなくなる可能性も否定できません。最低でも3日間、できれば1週間くらいの備蓄はしておきたいものです。
となると、ペットボトルの水を常備しているだけでは、ちょっと心配・・・となるかもしれません。そういう意味では、雨水やお風呂の水なども飲用水として使えるようになる「非常用浄水器」を一台用意しておくのも良いかもしれません。
「最低限生きていくために必要」なものを揃える
もう一つ用意しておきたいのは「食料」です。何も食べなくても2〜3週間は生き延びられるとは言うものの「腹が減っては戦はできぬ」というのも事実。できるだけ用意しておくことをオススメします。
在宅避難のメリットは、自宅にある食材を調理して食べられること。電気やガスといったライフラインが止まることも想定されますから、カセットコンロといった調理器具があれば、選択の幅が広がるでしょう。
キャンプがお好きな方は、万が一ライフラインが止まった際にはキャンプ用品を使って生活するということもできるはず。趣味と防災の両面から、こういう備えをしておくのもGOODです。
また「発電機」や「蓄電池」も用意しておきたいところです。例えば、手回し式で発電ができ、ラジオが聞けたり、携帯電話の充電ができるものが1つあれば、情報収集に使うことができます。もちろん、家電が動かせるような大規模な蓄電池を用意するのも良いでしょう。
これは在宅避難に限った話ではありませんが、考えるべきことは「最低限」「生きていくため」に必要なものを揃えること。残念ながら、自然災害が発生した際には「いつも通りの快適な生活」を送ることは不可能です。自分自身が「これは絶対に譲れない」「これはガマンしても良い」と思うものをきちんと見極めて、最低限必要なものを揃えることが大切です。
ぜひ、万が一の時を想定して「在宅避難をするなら、どんな備えが必要か」「避難所に行くなら、どういう装備を用意すべきか」をしっかりと考えてみていただければ幸いです。
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