このブログでは、「安全」や「災害」について知っておきたい知識をお伝えすることに加え、安全のプロが仕入れた安全の最新情報や、お役立ち情報を発信していきます!
地名には「土地の歴史」が刻まれている
「歴史」というと、学生の頃に日本史や世界史を勉強した記憶を思い出したり、私たち自身とは直接関わりがない、遠い昔の話と思ってしまう方も多いのではないでしょうか。
でも、私たちが住んでいるこの場所にも、必ず「歴史」があります。かつてはどんな場所だったのか、どんなことが起こったのかが残されているのです。そして、こういった土地の歴史が、実は防災と密接に繋がっているのです!
それぞれの地域に付けられている「地名」は、その場所の特徴や歴史を示しているものです。日本は古くから、自然災害に見舞われてきた国。だからこそ、先人たちは地名にメッセージを込めていることが多々あるのです。
例えば、地名に「島」が多いエリアは、かつては海だった、あるいは沿岸部であった可能性が高いエリアです。そのため、万が一地震などが発生した場合は地盤沈下が起こる可能性があると考えた方がよいでしょう。
また、「池」や「沼」など、水に関わる漢字や「サンズイ」が付く漢字が使われている地名は、かつては水辺だったことが少なくなく、水害の被害を受けやすいと考えられます。
一見きれいそうに見える地名でも、由来を調べてみると危険を示しているものもあります。
例えば「梅」。「ウメ=埋」に由来し、土砂崩れにより砂が堆積した土地であったり、人工的に埋め立てた土地である可能性があるそうです。「桜」は「裂ける」を意味し、豪雨の際に崩れやすい土地であることを示唆している可能性もあります。
いずれも全ての土地が、ここに挙げたケースに当てはまるとは限りませんが、自分が住んでいる土地の歴史を知るきっかけとして、調べておくとよいかもしれません。
地元の「神社」にもヒントが隠されている
自分が住んでいる土地にある神社の名前や、祀られている神様について調べてみるのも、その土地の歴史を知る上での参考になります。
例えば、東京・築地にある「波除神社」は、江戸時代に築地一帯を埋め立てる際、何度も大波が押し寄せ、困難を極める中、海面に光を放つ御神体が見つかり、それをお祀りしたことが起源になっていると言います。まさに「波除」の名の通りです。
一方、香川県にある「金刀比羅宮」。こちらに祀られている神様は天照大神(あまてらすおおみかみ)の弟である建速素盞嗚命(たけはやすさのおのみこと)の子にあたる大国主神の和魂神(にぎみたまのかみ)です。
この神様は農業・殖産・医薬・海上守護など広汎な神徳を持つと言われています。しかし、金刀比羅宮は海から10キロ以上離れた琴平山の中腹にあります。どうして、こんな山の中にある神社なのに海上守護の神徳を持つ神様が祀られているのか・・・?
実は、この琴平山はかつて、瀬戸内海に浮かぶ島だったという言い伝えがあります。そのため、海上守護の神徳を持つ神様が祀られていても、不思議はないわけです。
こういった土地の歴史を学んでいくと、今私たちが住んでいる場所がどんなところか、どんなリスクがあるのか、を理解しやすくなります。
土地の歴史は、地元の図書館で資料を調べてみたり、地元を歩いて神社の名前や祀られている神様を調べてみたり、または自治体のホームページなどには地名の由来や歴史などが掲載されている場合もありますので、調べてみるとよいでしょう。
住んでいる土地のリスクを知るためには、まず第一にハザードマップを確認するのが大切。ですが、それに加えて「この土地は昔、どういう場所だったのか」「どんな災害が起こったのか」を自ら調べ、知ることも大切。
「イザ!」という時のための備えは、決してモノだけではありません。情報や知識を蓄えておくことで、自分が暮らす土地がどういう場所なのか、何に気をつけるべきなのかを深く知ることができます。
ぜひ、皆さんも自分が住んでいる土地に関心を持って、防災に役立ててみてくださいね。
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(参考資料)
「週刊現代」|災害の記憶をいまに伝える日本全国「あぶない地名」
https://gendai.media/articles/-/44884
「プレジデントオンライン」|「桜は裂ける、椿は崩壊する」その土地の歴史を示す危険な地名・漢字
https://president.jp/articles/-/36226