冬〜春は火災に十分気をつけよう!

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空気が乾燥する冬は火災のリスク大!

秋から冬にかけて、防災を考える上で考えておきたいのは火災に対する備えです。消防庁が発表している「令和4年版 消防白書」によると、令和3年に発生した出火件数を見ると、12月〜2月の冬季が最多。3月から5月の春季も出火件数が多くなっていることがわかります。

(出典:消防庁 「令和4年版 消防白書」)

これから空気が乾燥し、さらに気温も下がってストーブや暖房器具などを使うようになることで、火災発生のリスクは高まります。そこで今回は、日常生活ではもちろん、自然災害が発生した際の二次災害として起こる危険性もある火災を防ぐ方法について考えていきましょう。

出火原因の「ワースト3」とは

「令和4年版 消防白書」の「主な出火原因別の出火件数」を見てみると、一番多いのが「たばこ」、次に「たき火」「コンロ」の順となっています。

「たばこ」が出火原因になっている火災のうち、6割以上が「不適当な場所への放置」によるものとされています。火が付いたままのたばこが灰皿から落ちて燃え広がったり、たばこの火を点けたまま居眠りしてしまったり・・・ということが出火原因と考えられます。

出火原因別の出火件数で第三位に上がっているコンロ。これはどんな出火原因が考えられるでしょうか? 揚げ物をしていて、加熱し過ぎて油に引火したり、コンロの火がカーテンや、キッチンにある可燃物に引火したり・・・と考えられる方が多いかもしれません。

「消防白書」によると、コンロが出火原因となった火災の発生原因で最も多いのは「消し忘れ」。使い終わった後に消し忘れていたり、あるいは点火していることを忘れて買い物にでかけてしまったり・・・。そんなウッカリで、火災を引き起こしてしまう危険性があるのです。

主な出火原因別の出火件数

たばこ、たき火、コンロ。いずれも「自分が火を扱っている」「適切に対処しないと、火事になる可能性がある」とまずは意識をすること。そして、しっかりと消火できているか、燃え広がる可能性がないかをしっかりと確認することを癖付けておきたいものですね。

コンロの場合は、最近は加熱時間が長過ぎたり、温度が上がり過ぎると自動で消火する機能を持ったものも登場し始めていますから、古いコンロをお使いの方はこうした安全機能付きのものに切り替えることも検討してみても良いかもしれませんね。

災害時も、火災のリスクは潜んでいる!

そして、自然災害が発生した時も実は火災発生のリスクがあります。

例えば、大きな地震が起きた時。地震の揺れでガス管が外れ、漏れたガスに引火して火事が発生するケースや、地震で電気のブレーカーが落ち、復旧した際に倒れた電気ストーブが通電して火災になったり・・・という危険性が多々あります。

特に注意したいのが、電気が原因となって発生する火災。「内閣府 防災情報のページ」によると、東日本大震災における本震で発生した火災のうち、電気関係の出火が過半数を超えていたのだそうです。

地震で停電が起こり、その後通電した際に起こる火災のことを「通電火災」と呼びます。電気系統の配線が壊れていたり、電気のコードが断線したり、あるいは白熱灯や電気ヒーターが倒れた状態で通電し、可燃物に引火するといった原因が考えられます。

こうした通電火災の場合、地震発生後に自宅を離れて避難していたため、火災に気付くのが遅れて被害が大きくなってしまうケースも多いのだとか。

この通電火災を防ぐためには、予期せぬ通電を防ぐためにブレーカーを下げておければよいのですが・・・。地震が発生した後、冷静に電気のブレーカーを下げてから避難する・・・というのはなかなか難しいと思います。

実は、2006年以降に日本で製造された、暖を取ることが目的の電気製品には「転倒時電源遮断機能」という機能を付けるよう、電気用品安全法の基準として定められています。なので、2006年以降に製造された電気ストーブ等は、万が一のことがあっても比較的安心です。

とはいえ、白熱灯やそれ以外の電化製品が原因で火災になるかもしれない・・・。そんな時は「感震ブレーカー」を使うのがオススメです。

地震発生時にあなたを守る「感震ブレーカー」

「感震ブレーカー」とは、内蔵されたセンサーが一定以上の揺れを感知した際、電気を自動的に止める器具です。コンセントとタップの間に取り付けておく「コンセントタイプ」もあれば、分電盤に取り付ける「分電盤タイプ」もあります。

「分電盤タイプ」の場合、分電盤そのものに感震センサーと電気遮断器が内蔵されており、分電盤ごと交換するタイプ(内蔵型)のものもあれば、既存の分電盤に感震センサーと電気遮断器が内蔵された装置を取り付けるタイプ(後付型)もあります。

ちなみに、分電盤タイプの内蔵型、後付型はいずれも分電盤の配線を変える必要があるため、設置するためには電気工事士に依頼する必要があります。

また、感震センサーではなく、バネや重りで地震の揺れを感知して、ブレーカーのスイッチを物理的に下げることで電気を遮断しようという簡易式もあります。

簡易式は自分で取り付けられる点が大きなメリットですが、本体そのものが揺れで落ちてしまったり、上手くブレーカーを下げられなかったりというリスクもあります。

こういったメリット・デメリットを把握する必要はありますが、大地震が発生した時、真っ先に考えるべきなのは、自分と家族、周りにいる人たちの安全を確保すること。そう考えると、なかなか「ガスの元栓を閉める」、「電気のブレーカーを下げておく」といった「次の一手」まで頭が回らないかもしれません。

だからこそ、「感震ブレーカー」などを導入して、万が一の時にも安心して避難ができるような工夫を取り入れておきたいものですね。

(参考資料)

総務省 消防庁|「令和4年版 消防白書」

令和4年版 消防白書(PDF版) | 令和4年版 消防白書 | 総務省消防庁
火災の予防や消火、救急、救助など国民一人ひとりが安心して暮らせる地域づくりに取り組む消防庁の情報を発信しています。

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"地震の火災"、原因トップは電気 ~全てを失わないために今できるのが「感震ブレーカー」 - 家電 Watch
 いつ来るか分からないのが自然災害。最近の自然災害というと、台風を思い浮かべる人も多いだろうが、大きな被害につながる災害として、地震も忘れてはならない。遭った場合の被害が甚大になる点は台風も地震も同様だが、被害発生が事前に分かるかどうかが大きく異なる。

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