台風接近!! その時どうする?
2023年8月上旬には台風6号が沖縄に接近、各地で大雨の被害をもたらしました。また、8月中旬には日本を横断するように台風7号が通過するなど、今年は早い時期から日本各地で台風の被害が出始めています。
しかし、本来の「台風シーズン」はこれから。本格的なシーズンの到来に合わせて、私たちもしっかりと準備をしておく必要があります。今回は、台風が来る前に備えておきたいことや、実際に台風が来た時の対処方法など、防災の観点から見た台風対策を考えていきます。
台風とサイクロン、ハリケーンの違いとは?
そもそも「台風」とはどういうものか、皆さんきちんと説明できるでしょうか?
気象庁の定義によれば、熱帯の海上で発生する低気圧を「熱帯低気圧」と呼び、その中でも赤道より北、東経180度よりも西の北西太平洋または東シナ海にあり、かつ低気圧域内の最大風速が毎秒17メートル以上のものを「台風」と呼ぶのだそうです。
ちなみに、最大風速が毎秒17メートル以上の熱帯低気圧のうち、北インド洋にあるものは「サイクロン」と呼ばれます。また、南太平洋、北太平洋(180度経線以東)、北大西洋の熱帯低気圧のうち、最大風速が毎秒33メートル以上のものは「ハリケーン」と呼ばれていますが、現象としては全て同じものです。
ところで、「台風の進行方向右側に位置する地域ほど危険度が高い」というお話をご存知ですか?
台風は、巨大な空気の渦巻きになっています。地上付近では、上から見て反時計回りに強い風が吹き込むようになっています。そのため、進行方向に向かって右側では、台風自身が巻き込む風と、台風を移動させる周りの風が同方向に吹くために風が強まるのです。
ですから、台風が発生して、住んでいる場所や勤務先の付近に上陸するおそれがある場合は、台風の「右側か左側か」もチェックしてみましょう。
台風が来る前に「やっておきたいこと」
台風が接近する前に、まず考えておきたいのは「現状把握」です。
当ブログでは繰り返しお伝えしていますが、自宅周辺の「ハザードマップ」を確認して、川が氾濫する危険性はないか、土砂崩れが発生する恐れはないかをきちんと把握しておく必要があります。
もし、川が氾濫して、道路が冠水する恐れがある場合には、台風が過ぎ去るまで自宅待機できるように準備した方がよいでしょう。一方、土砂崩れの危険性が高い場所にお住まいの場合は、家が土砂崩れで倒壊する危険性も見越して、早めの避難が必要になるかもしれません。
一言で「台風への対策」と言っても、今自分がいる場所のことをよく知り、状況を認識しなければ適切な対策が採れません。そのためにも、ぜひ「ハザードマップ」で、自宅周辺の環境やリスク要因を調べておきましょう。
いよいよ台風が接近! その前に・・・
自宅待機するにせよ、避難するにせよ、台風、特に強風の被害は最小限に抑えるための備えはしておきましょう。例えば、窓ガラス。強風で大きな石が飛んできて、窓ガラスを直撃して割れてしまう・・・という危険性があります。なので、一番簡単な対策は雨戸を閉めておくこと。
雨戸がない家の場合はベニヤ板を張っておくこともいいでしょう。また、ガラス窓に内側からテープを貼っておくと補強にもなりますし、万が一窓ガラスが割れた際にも破片が飛び散りません。
窓ガラスにテープを貼る場合は、バッテン印よりも米印(バッテンに加えて、十字にもテープを貼る)にすることをオススメします。こうすることで、万が一ガラスが割れても、より破片が飛び散りにくくなります。
さらに、窓ガラスに貼るテープは「養生テープ」がオススメです。普通のガムテープだと、剥がす時に大変だったり、貼った後が残りやすくなったりします。養生テープだと剥がす時に楽ですし、強度の面でも遜色ありません。
後は、外に出している植木鉢や、家庭菜園をしている方ならバケツやじょうろなどを室内に片付けておきましょう。
むやみな外出はNG! 情報収集して「適切な判断」を
実際に台風が近付いてきた時、いちばん大切なのは「的確な情報を把握すること」です。今、台風がどのあたりにいるのか。自宅付近の状況はどうなっているのか。そして、避難勧告は出ているのか。こういった情報をしっかりと把握して、判断することが大切です。
重要なことは、信頼できる情報源からの情報を仕入れること。大きな災害時はデマや大げさな情報なども飛び交うことが多いので、その情報が本当に信用できるかどうかも含めて、しっかり見極めて判断しましょう。
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緊急時や災害時に「適切な判断」を下すためには、判断を下すために必要な情報が揃っていることが大切。必要な情報が足りなかったり、間違った情報を元に判断を下してしまうと、むしろ自分の身を危険に晒すことにつながりかねません。
何事も「慣れてきた」頃が一番危険です。台風も、最初は警戒していたのに、被害が小さく抑えられると「次も大したことないんじゃないか」と油断して、事前の対策を怠ってしまうことにつながりかねません。
台風は「もう接近してこないだろう」と思っていたら、急激に進路を変えて近付いてきたりすることもあるので、要注意。台風対策は、早め早めの事前対策と、こまめな情報収集がポイント。きちんと対策をして、台風被害を最小限に抑えていきましょうね!
(参考資料)
気象庁|台風に伴う風の特性